感染症を防ごう~友の会~

血友病性関節症での感染症合併の意味合い

血友病は血液の凝固因子が産生されないか良く働かないために、出血が止まらなくなる病気です。男子のみにおこり凝固因子の産生に関わる遺伝子に異常がある先天性血友病と、凝固因子の働きをなくする自己抗体が産生される自己免疫病の後天性血友病があります。先天性血友病で最も頻繁におこる症状は血友病性関節症で、軽い怪我によって関節への出血と関節を包む滑膜に炎症がおこります。血友病性関節症がおこる場所は膝関節が多く、肘や肩の関節・骨盤や足首でもみられます。後天性血友病では、怪我がなくても出血が皮膚・鼻粘膜や筋肉・消化管や泌尿器などでおこります。また血友病性関節症は少ないですが、他の自己免疫病であるリウマチ様関節炎がおこることがあります。
血友病には感染症が合併することがありますが、この意味合いには二つあります。その一つの意味合いは、血友病の出血に対する治療に用いられた凝固因子製剤によるものです。以前の血液製剤は、献血者から得られる血液を材料にして造られていました。この供与者の中に肝炎ウイルスやエイズウイルスを保有しているヒトがいたために、血液製剤を治療に用いた血友病の患者さんがウイルスに感染し肝炎やエイズ感染症を発症しました。今では献血者に対する血液検査が厳しくおこなわれ凝固因子の製剤は遺伝子組み換え技術にウイルスを不活化する工程を加えて造られるため、この危険性はほとんどなくなりました。
後天性血友病でも感染症や敗血症を合併することがあります。これにはもう一つの意味合いがあります。それは治療に自己抗体の産生を抑えるステロイド剤や免疫抑制剤を使うことです。これらの薬剤は体の免疫の働きを弱めるために、細菌やウイルスなどの微生物を捕らえて処理する能力が落ちます。このため様々な感染症にかかりやすくなると考えられます。